会長挨拶

山内進(名古屋外国語大学)

沖縄英語教育学会のホームページを作成するに当たり、会長としてのご挨拶をさせていただきます。

沖縄英語教育学会は、1986年(昭和61年)11月に設立された前身の沖縄英語教育研究会を解消・発展させるべく、1998年(平成10年)4月1日に設立された学会で、沖縄県の中学、高校、大学の英語教育関係者を主メンバーとして沖縄の英語教育の発展のために、種々の活動を行っている学会です。

沖縄英語教育学会は、英語教育に関する研究及び研修活動を行い、沖縄における英語教育学及び英語教育の発展に寄与することを目的として設立されたものであり、その目的を達成するために、さまざまな研究発表会や講演会、研究紀要やニュースレターの発行などといった活動を行っています。

具体的な活動内容の主なものとして、年間に数回の定例研究会を企画、実施していますが、この研究会では、英語教育関係の講演会やレクチャー、中学や高校における授業実践報告など、英語教育関係者にとって興味深いテーマを取り上げて研究会を行っております。この「一年に数回の定例研究会、研修会」を開催することを活動の中心にすえているのは、多府県で行われる研修会や研究会、学会等に参加することが困難な沖縄県の英語教員にできるだけ多く自主研修、自主研究の機会を設けることを企図しているためです。

この研究会の中でも特筆すべき事は、例年4月に行われる定例研究会で「沖縄県の高校大学入試英語問題の分析・検討」をテーマに、多くの英語教育関係者が参加し、活発な研究発表と意見発表、質疑討論等が行われていることです。この定例研究会での議論をもとに、沖縄県における高校入試や大学入試英語問題の質的改善が行われていることは多くの会員や入試作成関係者の指摘するところであり、沖縄という地域における英語教育の発展にいささかなりとも貢献しているという自負と同時に責任をも感じております。

英語教育の質の向上には、英語教育学の学問としての「理論的研究」の深化、発展と共に、個々の英語教師の教室における「授業実践力」の向上も欠かすことができません。英語教育においては理論と実践は切り離すことができないものであり、理論に基づいた実践、実践より導き出された理論、という相互補完的な関係のあり方を融合させることによって英語教育の質的向上が期待できるのだと思います。そして、そのような期待に応えるべき学会として沖縄英語教育学会は活動を続けております。

この度、HPを開設いたしましたが、これを期に更に多くの英語教育関係者が沖縄英語教育学会に参集し、活動の輪を広げていくことができることを祈念して、挨拶といたします。